Shape of Memories
江口 敬 / EGUCHI Takashi
First touch
Sha-gaku / 2010.6.
初めて、ものを見るように。
初めて、世界に触れるように。
実際、あらゆることは初めてであり、同時に、最後なのだ。
「日常のとなりにある、非日常の美しさ」をテーマに、撮影を続けています。
「美しさ」は、私たちの心を武装解除してくれます。
なぜなら、「美しさ」は、「善きもの」あるいは「本当のこと」と同じ根でつながり合っているからです。
そして、「美しさ」は、私たちのすぐ傍らで絶えず微笑み続けているものなのです。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ハーネミューレ・フォトラグ
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:4点
心理的に静かに感じる場所
Photo Showcase / 2011.3.
どこまでも澄んだ光が踊るその場所では、耳が痛くなるほどに何も聴こえない。
なぜなら、心が何ものかに対して閉じ、何ものかに向かって開かれているので。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ピクトラン クリスタル
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:2点
深海
そこは、群青と濃緑が入り混じる、地上の深海底。
じっくりと時間をかけて、折り重なる色と形に視線を凝らしてください。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ピクトラン 局紙
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:2点
UNLIMITED PHOTOGRAPHS
Sha-gaku vol.3 / 2011.8.
デジタル写真が持つ「光景を極限まで分割して行く感覚」をグラフィカルに表現した写真たち。
もし「デジタルカメラ」という眼を備えた生き物がいるとしたら、世界はこのように映るのかもしれない。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:PCM竹尾 DEEP PV モロー
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:4点
UNLIMITED PHOTOGRAPHS
Sha-gaku vol.5 / 2012.9.
始まりと終わり。白と黒。発火と収束。水、炎。
有と無。光と闇。情熱、そして、思慮。
二つの相反するもの(同時に、互いが互いを包含するもの)こそが、
この世界とわたしたち一人ひとりを駆動する力ではないだろうか。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ハーネミューレ・フォトラグ
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:2点
春
Sha-gaku vol.6 / 2013.6.
他界した父が、亡くなる一年前の春、しきりに桜を見たがったことを思い出します。
春は僕に、「めぐる命」を(そして、自分自身も無数の命の戯れに混じって泳ぐ銀色の一尾で
あることを)あらためて思い起こさせてくれます。それも、年を追うごとに、強く。
枯葉色の景色を突き破り顔を覗かせる生命力の横溢は、どこか不安定で、ぐらぐらと、
まるで蜃気楼のように僕の目には映ります。
ぐらぐらと、ときに青白く、あるいは薄桃色に、パフュウムの炎を立ち上げながら。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ピクトリコ ミュゼオピクトリコWASHI雲流(厚)
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:2点
a picture
Sha-gaku vol.7 Act-1 / 2014.1.
「まるで絵のような写真だ」
現実をありのままに切り取るのが写真の本分と考えるとき、現実にはあり得ないような色合いや
コントラスト、構図の均整を備えた写真に出会うと、そのような評価が生まれるように思います。
「この絵はまるで写真みたいだ」
執拗とも呼べる細密描写で見る者を唸らせるスーパーリアリズムの絵画作品は、かえってどこか非現実の世界に迷い込んだような気分を私たちにもたらします。
では「『写真のような絵』のような写真」を前にしたら、一体どのような感興を
得ることができるでしょうか?
視点を一旦裏返し、さらにもう一度裏返してみたとき、あなたの目に映るのは果たして、
一番最初に見たのと同じ景色なのでしょうか?
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ハーネミューレ・フォトラグ
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:1点
Green Rev.
Colorful / 2015.1.
revolution /rèvəlúːʃ(ə)n/ 回転, 旋回 ⦅略⦆rev. ~́ coùnter 回転計
revelation /rèvəléɪʃ(ə)n/ 〖the R-〗〘聖書〙ヨハネの黙示録⦅略⦆Rev.
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:PCM竹尾 DEEP PV モロー
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:7点
Nara
2011年の秋のことです。奈良の街をひとり、ぶらぶらと歩きました。
興福寺から飛火野の森、新薬師寺、道を戻って若草山の麓を抜け、東大寺をぐるりと一巡り。
カメラは当時愛用のリコーGXR。レンズは標準マクロ一本勝負。
色の設定はちょっと遊んで「クロスプロセス」モードに。
それにしても、訪れるたびに思うのですが、奈良ってどうして、あんなにも「のほほん」とした空気に包まれているんでしょうね?(褒め言葉です)
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ハーネミューレ・フォトラグ
印画紙サイズ:A4
作品点数:25点
沖縄の印象
7人が描く写真の世界 / 2017.1.
昨年夏、沖縄で撮影した写真16枚から輪郭線を抽出し、重ね合わせた上で、新たな彩色等を施した作品です。
《碧》《紅》《黄》の色合いは、沖縄の代表的な伝統工芸・染色技法である紅型(びんがた)をモデルとしています。
意図していなかったにも関わらず、島の地図を思わせる模様に仕上がったのが不思議です。
○作品仕様
プリント:アーカイバル・インクジェット・プリント
印画紙種類:ハーネミューレ・フォトラグ・サテン
印画紙サイズ:A3ノビ
作品点数:3点