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亀卦川 宏人 /  KIKEGAWA Hiroto

瞬き

2013.10.

家族や身近な人を見つめていて、
ただ振り返るその仕草がずっと忘れられないことがあります。
ただ佇んでいるその数秒間に、何故か心を奪われることがあります。
まばたきとまばたきの隙間の、わずかな時間の出来事です。
それは、見つめている人やものに対して、強い思いが自分にあるからだと思います。
その見つめる時間と思いを写真に留めてみようと思ったのが、今回の写真を撮るきっかけです。

ですが、そういったきっかけとは無関係に、これら写真の中では、
わずかな所作がいろいろな想像を掻き立てるのです。
土の匂いであったり、その場のざわめき、張り詰めた空気感、
そんな目に見えないものが見えてくる気がします。

写真とは記憶そのものではなく、思い出すきっかけを与えるにすぎない、といつも思います。
ですから、見えたものはおそらく、見る人それぞれの記憶なのでしょう。
そうであれば嬉しいです。

○作品仕様

 

プリント:タイプCプリント
印画紙種類:RCペーパー
印画紙サイズ:全紙、300×420mm
作品点数:30点

流跡

2017.2.

流れのことを考えていた。川の流れ。街を行く人の流れ。車の流れ。血の流れ。流れとは循環。流れは交錯する。それによって様々な営みがうまれる。その中で私はカメラを持っていた。

そして「流れ去った痕跡」のようなものが私の写真に多くあることに気付く。そこにあった「かもしれない」ものを想起する。「かもしれない」ものは、実は誰も気にかけなかった瞬間かもしれない。人知れずふっと見せた表情かもしれない。

そういった写真を提示してみる。ひらがなを流麗に書き進めるように、「流れの軌跡」を再構成してみた。回送車のように送られてきたものを他へ送る。循環する。ぐるぐると回って見てほしい。螺旋階段のように一段階上がっているかもしれない。下がっているかもしれない。エッシャーの滝のように元に戻るのかもしれない。

○作品仕様

 

プリント:インクジェット・プリント
印画紙種類:エプソン 絹目用紙
印画紙サイズ:A2ノビ、A3ノビ、A4相当
作品点数:20点

プロフィール

1973年生。宮城県仙台市在住。
毎日変わっていく何かを、見過ごしがちな何かを、記憶とは違った形で見てみたいと思い、日々写真を撮り続けている。
路上撮影、スナップショットばかりである。スナップショットとは、よそゆきではない、素の世界。小さな偶然はそこここにあって、それを見たいし見せたいと思う。

WEB SITE  https://hirotograph.com/
Email  kamehati@gmail.com

主な出展、作品展

2010年 8月

3人展 「そこに、或るもの ‐それぞれの視線-」
2011年 3月

「Gallery Collection & Photo Showcase」
2011年 9月

「11-10+1」 富士フィルムフォトサロン仙台
2012年 8月

Photo Park - 写真の眼 -
2012年10月

「12-12」 富士フィルムフォトサロン仙台
2013年10月

個展 「瞬き」
2014年 9月

個展 亀卦川宏人写真展 「他人の風景」 Sendai Artist Run Place
2015年 1月

Colorful
2016年 2月

Sha-gaku vol.10
2016年 7月

flowers

その他、グループ展等、多数参加、形式は、個展以外は企画グループ展

会場は、記載の無きものはいずれもカロス・ギャラリー

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